久石譲的交響世界

 上海で久石譲のコンサートが開かれると聞き、友人二人とともに上海大劇院に行く。上海大劇院に入るのは今回が初めて。上海美術館と上海博物館の中間にあるので、しょっちゅう前は通っていたのだが。ちなみに「せっかくコンサートに行くんだから」ということで、なぜか三人ともスーツ。これでドレスコードもバッチリだ。
 なぜか大劇院の入り口で、マイミクのないゆえさんと遭遇する。上海は意外と狭い。
 内容は、ジブリの映画や、北野武監督作品など、多くの映画音楽からと、十月に出た新アルバムから何曲か。二時間半ぐらいで、合計十五曲ぐらい演ったのかな? 演奏は久石譲自らのピアノと、上海交響楽団
 トランペットの人の音が外れているのがすげえ気になった。久石の曲はラピュタのパズーのラッパではないが、やはり金管楽器が決まらないと、どうにも格好が付かない。弦楽器、とくにコンサートマスターのソロは非常に聞き応えがあっただけに、残念でした。
 最後のアンコールは、となりのトトロをフルオーケストラで。……明らかに他の曲よりも、オーケストラの気合の入り方が違っていた。久石譲は指揮しながら飛び跳ねているし、観客は万雷の拍手で大満足だったみたいだし、あの一曲で他のマイナス分をチャラに出来るぐらいいい演奏だった。
 それにしても、音楽会の感想を分かりやすく纏めるって、昔から苦手なんですよ。音楽批評でミニコミ誌作っていた、どっかの誰かさんは偉かったんだなぁ。