「ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」(国立西洋美術館)

 友人のCaojin氏と一緒に見てきた。
 現在、東京では二つのルーブル展が同時に開催されている。こちらは日本テレビ読売新聞社主宰のほう。ちなみにもうひとつの「ルーブル美術館展 美の宮殿の子供たち」は国立新美術館で開かれていて、テレビ朝日朝日新聞社主宰。片一方が時代で区切りながら、もう片一方はテーマ展示。しかも、ライバル企業が主宰しているという。なんでこんなことになったのか知りたいところである。
 さて、そんなバックボーンはともかく、日本ではフィルメールルーベンスぐらいしか有名ではない、17世紀絵画の専門展である。目玉はフィルメールの「レースを編む女」。ところが、この絵画のサイズは24cm×21cmと、他の絵と比べてとても小さい。同じ場所で展示しているフランス・プルフィス(子)「マリー・ド・メディシスの肖像」の1/8もない大きさである。人だかりが出来ると、前の人の頭に隠れて見えなくなってしまうくらいだ。そのため、迫力の面ではいま一つ。画廊に並んでいたら、うっかり見逃してしまったかもしれない。
 むしろ、印象に残ったのはジョルジュ・ド・ラ・テュール「大工ヨゼフ」。くっきりとした線で、ろうそくの光に照らされる老人と少女を描いた作品。300年以上前の作品にもかかわらず、非常に現代風な感覚を受けた。
 全体的に17世紀の絵画は、すっきりとした輪郭をしていて、色と色の境目がシャープなため、「見やすい」という印象を受けた。ルノアールセザンヌの絵が西洋画の典型だという先入観があったせいで、それ以前の絵画なのに「新しい」ような感覚があった。
 ちなみに。
 (ゲームの)大航海時代的に、フランス・ポスト「ブラジル・パライバ川沿いの住居」とルドルフ・バックハイゼン「アムステルダム港」を見てニヤニヤしてたり。ゲームのイメージを絵画で補う、ってのも、まあ、オツなもんですよ。はい。