吉祥寺最新書店事情

 久々に吉祥寺へ繰り出す。
 先月、新しく伊勢丹の上にジュンク堂がオープンしたと聞き、様子を見に行く。
 吉祥寺には大手の書店として、駅ビルの地下に啓文堂があり、ジュンク堂と競合することは間違いない。それ以外に、パルコブックセンター(PBC)、ブックスるーえ、ヴィレッジバンガードビレバン)など、中小規模で特色ある品揃えの書店が存在する。ジュンク堂が参入したのはいいが、どうやって周辺との差別化を図る気なのか。
 伊勢丹の6Fがまるまるジュンク堂になっていた。広さとしては、感覚的に啓文堂の半分強、PBCよりも広いぐらいだろうか。まず目を引いたのが、コミックコーナーの配置。店の一番奥、狭い通路を抜けた一ブロックをコミックコーナーに宛てている。そもそもそれほど広くない上に、お勧め本の棚に空きがあり(しかもお勧め本はワンピースだった)、あまり重点はおいていない風である。
 逆に、エスカレーターをあがった正面には、ファッション系のムック本を配置するなど、ファッション、デザイン系の雑誌を目につきやすいところに配置していた。もう一点、特徴的だったのが、棚一列だけだが、洋書のペーパーバックを置いている点。PBCビレバンにも時々おいてあるものの、常備している量としては、吉祥寺で最多ではないだろうか。コミックやビジネス書を切って、ファッション、インテリア等の本をプッシュしているのは、デパートに来る有閑マダムがターゲット、ということなのだろう。面置きしている本も少なく、ポップも控えめで、全体的に落ち着いた雰囲気になっているのは悪くない。
 それにしても、少し通路が長すぎやしませんか? 15メートルぐらいずっと棚が続いていると、隣の列の本を見るのが大変だったりする。少しでも置ける本を増やしたい一心だろうけど。でも、これだけ書店がひしめいている吉祥寺で、蔵書量で勝負するのはあまりメリットがない気がする。量とアクセスで啓文堂にかなわず、コミックスではるーえに一歩劣り、ファッション系の本でPBCと競合し、洋書で他の書店と差別化しているのが現状だろうか。現状のような「それなりに何でもある」八方美人の品揃えだとロスが大きいので、そのうち女性に特化した店づくりをしてきそうな予感がするけど、どうなんだろう?