駅を降りると、雨が上がっていた。雨は上がったけれど、歩いている人々はまだ傘を差している微妙なタイミングだった。徐々に徐々に傘を差している人が減っていく様は、見ていてなかなか興味深い。傘を差していない人を見て気づく人、空を何度も見上げてから傘を閉じる人、唐突に傘を閉じる人、最後まで差し人続ける人。
私はさっき、帰宅途中に買ったビニール傘をぎゅっと握った。