伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』

 読了。
 ミステリ……なのだろう。何かどこかミステリから逸脱した雰囲気のある小説である。それは、事件と物語が乖離しているからか、主人公や河崎がミステリのルールに従って行動していない時があるからか(その時の気分で登場人物の行動方針が変わってしまうのは……リアル(!)だけど、ミステリっぽくはないよね)。
 いや、事件と、謎と、その解決だけをみれば、紛うことなくミステリなのだけれど。それなのに、どこか落ち着かない感覚が残る。その理由がはっきりとしないので、伊坂の他の本を読んでから考えたい。
 そういえば、何か石田衣良に通じる気配を感じると思ったら、この二人は友人同士だったらしい。