森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』(幻冬社)(ISBN:4344002873)

読了。実はアキバの話は半分程度。
アキバと渋谷の建築物を対照させて、「渋谷=外向/秋葉原=内向」という結論を導き出すくだりは大変面白い。都市のデザインが官→民→個の順で変遷していくという主張も、まあ、分からなくはない。だがしかしそれでも、秋葉原に来る様な「個」は、諸社会階層のどの部分に属するのか(ヤな言い方だなぁ)、という議論が全くもって欠落している点に問題が存在しているように思えてならないんですが。
秋葉原をウロウロしている人間(自分も含めて)は、「東京近郊に住居し」「趣味に金と時間を投入できるだけの余裕があり」「秋葉原に氾濫する情報を適切に収集・処理できるだけの判断能力のある」人に限られるわけで。だから、そもそも秋葉原がもともと、東電大が近くにあったことで成立した影響ってのは、現在までかなり強く尾を引いていると思うわけですよ。
ぐだぐだ感が強まってきたので、続きはまた今度。趣味の話をするなら、ブルデューでも読もう。