奈須きのこ『空の境界』(上)(講談社ノベルス)(ISBN:4061823612)

読了。ああ、楽しいなあ。「V.螺旋矛盾」はFateと関連した内容ですね。魔術師と英雄と世界の話。……そして、不思議なことにFate同様、長すぎる話になっいる。設定が長い訳でも、情景描写が長い訳でもないのに、何故か全体が無駄に長い。長すぎる。多分、複数の語り手が、それぞれひたすら主観描写を続けるところに原因があるのかも。まあ、「下巻に続く」なので、読み終わってからまた考えます。
笠井先生の解説が良くできている。日本における伝奇小説の展開に関する、手ごろな概説としてお勧め。伝奇ブームの定義と、80年代伝奇小説ブームの終焉を天皇崩御と結びつけるあたりは笠井先生らしくて面白いですね。