成田良悟『バッカーノ1933』(上・下)(電撃文庫)(ISBN:484022787X,4840228507)

読了。いつもどおりの群像劇。今回から一話完結じゃなくなるっぽい。伏線も大量に残したままだったし。
今回のテーマは「刃物」。拳銃相手にカタナやらナイフやら銃剣やら鋏やら十文字槍やら素手やらで勝っちゃう人がぞろぞろと登場し、ガンガン切りあう。
会話のテンポでハイテンションを維持しているのは相変わらずで、それはそれで相変わらず上手い。しかし、それよりも感心したのは、上巻・下巻とも他の作家とコラボレートした部分があること(そういえば『デュラララ!』でもありましたね)。こういうった「おふざけ」は、楽屋落ちになりかねないので危険といえば危険ではあるのだが、基本的にサービス精神の表れであると好意的に受け取ることにしている。後は、このサービス精神が、内輪ではなく常に外側に開かれたものであり続けてくれることを期待している。しがらみとか大変だろうけど(しかし、まさか電撃文庫で富士見ミステリ文庫の宣伝をしちゃうとは……)。