グランツーリスモ4(PS2,SECI)

ゲームの極北に限りなく近づいている作品ということで。
綺麗で細かいCG・豊富で良質なBGM・650種以上の車が登場するというボリューム。どれを取っても、他のゲームソフトと一線を画している。リアル・ドライビング・シミュレーターを名乗るだけあって、自動車の挙動やエンジン音までリアルに作り込んでいて、本当に優秀なシミュレーターだなぁ、とほとほと感心した。
リアルなシミュレーター好きな人にはおすすめでしょう。ゲームとしては手抜きだけど。
シミュレーター部分の完成度の高いのに、パッケージゲームソフトとしてはかなりどうよ? な出来。そもそも、取説に誤植(というか仕様変更による訂正?)が多すぎ。説明が全くされていない機能とかもふんだんにあって、気分はもう、「アンリミテッド・サガ」の説明書を読んでいるかのよう。
ゲーム内容も、最大のウリである「グランツーリスモモード」の完成度が余り高くないのが気になる。ゲーム上でカーライフを満喫する、というコンセプトがあるのならば、もっと他にやりようがあるはず。ただ経過ターン数で新しいコースが出現するだけしか蓄積するものがないのは寂しいし、車を買うための資金を貯めるのが簡単すぎるので単純作業になってしまいがち。
せっかく総走行距離やらA-Spec PointやB-Specのドライバーズスキルがあるのだから、それによって新しいBGMや車や写真撮影用の背景が手に入るようにすればよいのになぁ、と思うことしきり。0-400測定やタイムアタックもマシン調整以外の意味が全くないのが勿体ない。イベントの一つや二つ入れるのはそんなに困難な事ではないだろうに。あれやこれや、面白く成りそうなとっかかりだけあるのに勿体ないっす。
要するに、プレイヤーが何かしたことに対するリアクションが極端に弱いのと、先に進めさせるモチベーションを維持させるための仕掛けが少ないのが、(この二つは半分ぐらい重なっているのだけれど)ゲームとしての楽しさを損なっているのではないかと。
ドラクエがゲームとして秀逸だっただけに、グランツーリスモのアラが見えすぎているのかもしれませんが。