「かまいたちの夜×3」(PS2,チュンソフト)

とりあえずエンディングをコンプして金のしおりに。最後のシナリオも見た。これで「かまいたち」も終わりかと思うと、少しさびしい気がする。僕にとって「かまいたち」は人生で五本の指に入るぐらい影響を受けた作品だったので。
それだけに、思わず大声で言った。
カップラーメンください。「ありえない」と。
そもそも何故いまさらザッピングシステムなのか。インタビューでプロデューサーの中村光一が語っているように、『街』は売れていない。その理由を「『街』が実写だったこと」に求めているようだが、それは大きな勘違いだ、と僕は思う。
初代「かまいたちの夜」にあれほど夢中になったのは何故だったのか。振り返ってみると、それは「展開の多様さ」言い換えれば「あれよあれよという間に別の話になっていくドリフト感」でだった。ミステリだと思っていた話が、いつの間にかスパイ編になり、悪霊編になっていく、あの展開の速さに酔いしれたのである。『街』ではその真逆に、シナリオ自体は人数分しかないことは分かっていて、極端に逸れた話に移る可能性は閉じられている。どちらがシナリオを追わせる力で勝っているかは言うまでもない。
で、今作は『街』に輪をかけてシナリオの幅が狭い。サウンドノベル史上最も狭いと言っても過言ではない。『街』では各人それぞれのシナリオが展開されたが、今回は一本だけ(今のところ)。
シナリオの我孫子武丸は「整合性を重視した」と語ったという。もちろん、ミステリにとって整合性は非常に大切だ。前作で田中&牧野が回収し損ねた複線の尻拭い、という側面があったのは本当だろう。だが! 整合性があっても、それだけではドキドキしないのですよ! キャラクター毎に同じ文章を強制的に読まされるのはうっとおしいことこの上ないのですよ! もっと、
正直、バッドエンドを埋めている最中、最後の方は苦痛以外の何者でもなかった。
それだけに、こう思わざるを得ない。
……本当にこれで終わりなのだろうか?
まだ、何か僕の知らない何かが残っているのではないだろうか?
僕の中でもやもやした疑念がわだかまり続けた――