水郷と構造色とピノキオと。

 朝6:30起床。3時間しか寝ていないのだが、今日は大学の日帰り旅行があるので仕方がない。レッドブルの栄養ドリンクをぶち込んで、出発する。
 行き先は浙江省興善県西塘。明代の建築物や清代の町並みが残されている、江南の水郷だ。街の一区画がまるまる保存地域になっており、そこに足を踏み入れるにはチケットが必要なのだが、今回は交通費から観覧チケットまで、すべて大学持ちであった。
 街の中を縦横に走る水路と、そこに掛かる橋が美しい街だった。特に、清代に作られたという川縁の木造・漆喰のアーケードの天井に、水路で反射した陽光が複雑な影を落としているさまは、あまりに幻想的であった。デジカメの電池を入れ忘れていたのが本当に悔やまれる。
 昼飯は日本人とフランス人とカザフスタン人とモンゴル人とスペイン人と一緒に飯。中国語でめちゃ頑張りましたよ、ええ。
 10時から15時まで、ほぼ5時間、街の中を歩き通したあと、バスで上海に帰る。これだけでもう、十分一日分の行動はしたはずだったのだが。


 夜、一昨日から上海に来ているコンテンツのI沢君と、その上司のOさんと一緒に食事。中山公園周辺で、上海ガニをご馳走になる。本当にありがとうございました。美味かったです。
 いろいろと、面白い話を聞けたが、その中で一つ気になったのは、映像関係の職場ではCRTモニタの生産停止が、非常に大きな影響を与えていることだった。なるほど、アニメーションを扱うのであれば、液晶の反応速度では厳しいよなぁ、と。
 他にもいろいろ面白い話が聞けて、超満足して寮に帰ったのが11:30。いや、充実した一日だったと、顔を洗っているうちに、同じフロアの友人のところで酒盛りをしていることを思い出す。


 そろそろ寝るかと思いつつ、差し入れを持って顔を出しに行く。ちょうど、ビールが切れていたので、買出しに行くところだったとかで、なぜが自分の分の酒まで出てくる。あちゃー。そのまま、徹夜で宴会モードになだれ込む。なぜか全員でピノキオを鑑賞したり(終わり方があっさりしていて本当に素晴らしいですね)、本の話をしたり、ゲームの話をしたり、要するに日本でやっていたのと変わらない話をしているうちに、3:30。女の子たちが眠そうになったところでお開きに。
 うーん、今思うと、土曜日に徹夜で駄話をするのは、どうも身に付いた習慣になっていたようだ。普段の日よりもいろいろなネタが出るし、人の話も面白く聞ける。これまで10年近く、「土曜日はそういう日」になるような生活を続けてきていたわけで、中国に来たからといってそう簡単に直るはずもなかった。そういう意味で、あれほどハイになって仲間と喋っていた自分に、少し安心した。……果たして安心していいのかどうかは分からないけれど。