読了。
ネットは怖いですね。
そうですか。
そうですね。
と書くだけでは意味がないので、簡単なメモを残しておくと、米澤穂信が二項対立を利用して話を作っていることが非常に良く分かる作りになっている。
探偵が二人、事件も二つという平行性、東京と八保という中央と地方の対立、そして何よりチャット・ブログといったデジタルなコミュニケーションと、手紙や古文書といったアナログなコミュニケーションの対比。
主人公が、かつて東京の一流企業に勤めながら、挫折し、地方で探偵事務所を開いたばかり、という「何者でもない」性質の人間であることは、この二項対立を繋ぐリングとして必用なことだったのではないだろうか。