「レッド・クリフ」(呉宇森監督)

 祝・『三国無双』実写映画化! あのキャラクターたちが銀幕で無双乱舞!
 みたいな話。パラレル三国ワールドの話だと割り切ると結構面白い。ともかく演出が無駄に派手。総制作費100億円を物価の安い中国で惜しげもなく使っている感じ。随所で乱用されるCGも、実写部分がケレン味溢れすぎる世界なので違和感が少ない。CGに実写を近づけてしまうとは、何たる逆転の発想。
 登場人物をデフォルメ化して、分かりやすく作っているので、三国志を知らない人にも受けがよさそう。もうずいぶん多くの人が見て、コメントしているようだけど、一番面白かったのは、某タナブン氏の見解。

 「レッドクリフ」は、華北(中国大陸)をしはいする暴君曹操毛沢東)に追われた、有徳の君子劉備蒋介石)が、盟友(アメリカ)の力で長江(台湾海峡)を渡ろうとする烏合の衆総勢80万(人民解放軍)を撃破する話なんですよ。

 最初「単なるアクション映画だろ」と甘く見ていた自分に、映画館まで足を運ばせた一言。さすが専門家は秀逸な見方をするなあ、と感心した次第。
 香港で生まれアメリカをホームグラウンドとするジョン・ウーが、今の中国政府に批判的な目を向けていたとしても不思議はないだろうけどなあ。


 ちなみに作中のポジション的には、
 劉・関・張三兄弟+孫尚香:ボケ担当
 趙雲周瑜孫権:シリアス担当
 小喬:お色気担当
 魯粛:いじめられっ子
 孔明:801担当
 曹操ヤンデレ
 何と曹操様が中年ヤンデレおじさんに?! こいつは新機軸だ。