続・ドミニオン再論

 続き。ラストシャッフルについて。
 ドミニオンにおいて、購入したカードは即座に山札に入るわけではない。一度捨て山に置かれて、山札がなくなった時点で、シャッフルされる。カードはゲームが進むにつれて(一般的には)増えていくので、シャッフルとシャッフルの間隔は徐々に長くなっていく。捨て山にどれほど有用なカードがあっても、次のシャッフルまでは意味がなく、逆に捨て山にどれほど邪魔な得点カードがあっても、次のシャッフルまでは邪魔にならない。
 つまり、次のシャッフルまでにゲームが終わると確信できたら、得点カード以外は買う意味がなくなるのである。 以前の記事でも書いたように、単純な金貨戦略でも、19ターン目には4枚目の「属州」を購入して27ポイントを確定させることができる。アクションカードを使ったプレイでは、それを上回る速さで「属州」が購入されるであろうから、20ターン目までにゲームが終了する可能性は高い。
 ちなみに、毎ターン1枚づつ購入したいった場合、シャッフルが起こるのは3、5、7、10、13、17、22ターン目冒頭になる(アクションカード次第で順序は変わるだろうが)。
 攻撃カードの打ち合いにならない限り、17ターン目のシャッフルが最後のシャッフルになる。それ以降は、貨幣カードも、アクションカードも買う意味は(間違ってもう一回シャッフルすることにならない限り)ほとんどない。6回目のシャッフルが終わったら、後はひたすら得点カードを買うべきだ。(先週はそれに気付かず、終了直前で金貨を買ったりしていたけど、意味がなかったですね。迷わず3点を取りに行くべきでした)。
 さらに言えば、最後のシャッフル後の山札の状態は最大限活用したい。せっかく金貨を大量に買っても、シャッフルして利用できるようになった直後にゲームが終了してしまえば、文字通り宝の持ち腐れになる。山札が5枚以下(次のターン冒頭にシャッフル発生)で、捨て札に大量の得点札がある状態で、ゲームを終了するのが理想の状況だ。だからもし、19ターン目に終わると分かっているのならば、17ターン目にシャッフルするよりも、15ターン目にシャッフルするほうが有利に戦える可能性が高いのである。
 「終了ギリギリで山札が尽きる」状況を作り出すためには、他のプレイヤーの手の進み具合を把握し、どこでラストシャッフルを行うかを見切らなければならない。他人に干渉するカードの少ないドミニオンが、対人戦として緊張感を失わないのは、この仕掛けるタイミングを作るために、序盤からコツコツとデッキや手数を調整していく必要がある(そして、コツコツ用意しても、運が悪ければうまくいかない)からなのだと思う。