「オポルト漁師祭り」(「大航海時代Online」(コーエー,PC(オンライン)))

 久々にネトゲの話。リアルタイムじゃないとあまり意味ないエントリな気もするが、メモ的に残しておく。
 大航海時代オンラインで「オポルト漁師祭り」というLiveイベントが実施された。全プレイヤーで協力して、2週間かけて50万匹の魚を釣ろう! というイベントだ。イベントが公表された当初は、その数にビビッていたプレイヤー達だが、蓋を開けてみると……開始後わずか8時間でイベント終了! 日中暇だったプレイヤー以外は、ログインしたらイベントが終わっていたという、無残なことに。
 2週間の予定が8時間で終了、というのは、完全に運営サイドの読み間違えで、今頃善後策を考えているだろうが、まあそれはどうでもいい。むしろ、ここで興味があるのは、一体運営はなぜ「50万匹」という数字を弾き出したか、そして、なぜ、その数字を読み間違えたか、である。
 運営側とてプロであり、何より、ゲーム中の情報を完全に知りうる立場にある。にもかかわらず、かくも大失態をする理由が、(「アホだから」という非生産的な理由を除くと)あまり思い浮かばない。
 廃人を舐めていた? それも一つの理由だろう。しかし、最大の理由は、事前にプレイヤーが適応する時間を与えてしまったせいだろう。一週間前にイベントの詳細を告知した結果、イベント立案時に参考にしたデータが役に立たなくなってしまったのである。運営は平時の生産量や流通量を考慮して、50万という数字を計算したのだろうが、結果からみるに、イベント直前の一週間には、その数倍〜数十倍の生産があったようだ。
 この話は、大航海時代に限らず、多くのネットゲームにとって、かなり解決の難しい問題を含んでいる気がする。いまだ試したことのないイベントを行う際には、イベントの実施を告知した時点で、イベントのバランス調整に用いたデータが無意味になりかねない、ということになるからだ。では、どうやってバランスを取るのか? それこそ、ゲームクリエイターがクリエイターたる所以、と言うことになるのだろうか?(ある程度、イベント実績の分析で数字をはじき出せるとしても)
 これほどの大失敗を目の当たりにして、何か重要な教訓が引き出せそうな気がしたので、ちょっと思考のメモを作っておくことにした。成功から得る教訓よりも、失敗から得る教訓の方がはるかに多いから。