ボーダーブレイク(セガ、アーケード)

 10人対10人の合計20人が同じフィールドでバーチャロン!みたいなゲーム。これだけ大容量の通信をしていながら、ラグによるイラつきをほとんど感じさせないのは、すごい謎の技術だ。
 微妙かつ正確な操作が要求されるものの、操作方法自体は比較的シンプル。専用筐体で、左手のグリップ型で機体操作、右手のマウス型でファイアコントロール。慣れないないうちは「移動しながら敵を射撃」するだけでも、なかなか上手く当たらない。上手い人の手元を見ていると、高速かつ精密に人間業とは思えない動きをしている。
 複雑な操作系に慣れてくると、自機を自在に操れるようになり「敵の砲撃を回避しながら、手榴弾を投入。すぐに剣に持ち替えて、飛び出してきた敵をバッサリ」といったアクロバティックな動きもできるようになる。もちろん、相手も人間であるから、同じようにアクロバティックな動きをしてきたりするわけで、見ているだけでも十分に面白い。
 何より恐ろしいのは、クレジット=プレイ時間の課金システム。1クレジットで260秒。1ラウンド600秒なので、2クレジットだと少し足りない。さらに、武器・機体のアップグレードやアバターの変更にもリアルマネーがかかる(厳密にはプレイ時間を武器などの代価として支払う)。さらに、余った時間は素材に交換できるが、次のゲームに持ち越すことは出来ないので、毎プレイごとに端数を「捨てる」ことになる。
 「俺の財布がボーダーブレイク!」といわれる所以である。
 1回500円で20分だと割り切れば、それなりにコストパフォーマンスはいいのかもしれない。特に、「初心者が遊んでいたら上級者が乱入してフルボッコ。もうやらねえよヽ(`Д´)ノウワァァン!!」という対戦格闘でよく見られた光景はなくなった。一方、熟練すれば、1コインで並み居る挑戦者を蹴散らして30分でも1時間でも粘れることもなくなっているわけで、これだけ見れば初心者に優しく、熟練者に厳しい、間口の広いゲームのようにも思える。
 が、逆に、1コインで4分しか遊べない(しかも、1ラウンドプレイできず中途半端に終わる)ことを考えると、そもそものコストは非常に高い。さらに高価な武器になるとコストがプレイ時間500秒相等にもなるので、決して安い買い物ではないわけで、さらにカード作成コストがかかることを考えると、新規参入への障壁が低いとは思えない。
 ある程度慣れてきたら面白くなってくるのだけれど、そこまで頑張れる人がどれぐらいいるのか、いまひとつよく分からないシステムなので、結局、新しい客層が増えたのか減ったのか、知っている人がいたら教えてもらいたいです。