清涼院流水『彩紋家事件 後編 下克上マスターピース』(講談社ノベルス)(ISBN:4061823485)

 下巻。読了。
 人がバタバタ死にます。相変わらず語呂語呂合わせます。一応、この巻で完結してます。前編での不安は杞憂に終わって何よりでした。で、袋綴じにした意味は?
 相変わらずミステリというよりも、純文学的、みたいな? 「カーニバル」三部作をそのまま引き摺った感じの作品。不可解な殺人事件を論理的に解決する気がさらさらなくて、トリック不在もいいところ。いいかげん慣れましたが。
 奇術のタネ明かしはそれなりに楽しかったですが、しかし、「奇術を全て解かないと事件が解決しない」のと、「事件を解決する過程で奇術が全て明らかになる」のは、全然違うと思うんですけど。
 それにしても、彩紋十九(後の九十九十九)が出てくるたびに、『九十九十九』の三つ子を思い出してしまいます……舞城王太郎は偉大……