長森浩平『タイピング・ハイ!』(角川スニーカー文庫)(ISBN:4044709017)

読了。第九回スニーカー大賞優秀賞。
SFで味付けした学園萌え小説。芸の全くない萌え小説よりははるかに読める。しかし、SFへの愛はほとんど感じられない。AIの育成とか、ハッキングとか、ジャンクショップだとか、C4爆弾だとか、ガジェットとしてのSFは頻繁に出てくるので、SFを読んでいる人なんだなぁ、というのは分かるだけれど。
でも、SFそんなに好きではないんじゃないですか?
キャラクター小説としては、まあ、ふつー。最終的に誰とくっつくのか、という一点で、他のキャラクター小説と一線を画している。本当に細い一線だが。
この辺に関しては、T.T.君が、2004年11月10日(水)23:00の日記で書かれている、

「なんか選択肢を適当に選んでたら、いつの間にかゲーム内カレンダーが期限になっちゃってて、なぜかサブヒロインエンド。好感度チェック甘すぎ。イベント大量に残ってるけどいいんですか?」というような話でした。

という説明が一番(ネタバレにならずに)分かりやすい表現をしているでしょう。さすがラノベエロゲーの偉い人T.T.。
ところで、この作者の名前は本名なのでしょうか。ンなわけないとは思うのだけれど。これで、もし本名だったら、今までの人生、大変だったろうなぁ、と同情してみたり。ま、どうでもいいことですが。