六塚光『タマラセ 探偵はドリルで突つかれる』(角川スニーカー)(ISBN:4044707022)

スニーカー大賞優秀賞の第二作目。《いーちゃん》とか「ハルヒ」とかと一緒の饒舌主人公系特殊能力バトル小説。テーマや複線やギミックがシンプルなため、語り口だけで読者を引っ張らざるを得ないのがつらいところか。結局バトルも力押しだしねえ。
一番面白かったのは「漏斗の歌」のくだりでした。どつきあいの描写ばっかりだと飽きるので、ああいうトボけた文章が出てくるとほっとします。