「ZOO」(監督:金田龍、安達正軌、水崎淳平、小宮雅哲、安藤尋)

先月末にミス連の人と一緒に見てきました。
乙一の短編集『ZOO』(集英社)の中から五本の短編を映像化。

  • 「カザリとヨーコ」(監督:金田龍)

 どこかで聞いた監督だと思ったら実写版ブギーポップの監督だったんですね。カザリとヨーコを一人二役にしたのは、この話を演る上で大正解だったのだろう。あと、吉行和子の演技が際立ってました。映画発デビューの小林涼子と比較すること自体、無茶といえば無茶なのですが。

  • 「SEVEN ROOMS」(監督:安達正軌)

 市川由衣よりも須賀健太の熱演が光ってました。特にラストの微妙な表情の変化とか。末恐ろしい子役ですね。グロテスクな映像を多用せずに、不気味さを演出していたのは上手いなあ、と。

  • 「陽だまりの詩」(監督:小宮雅哲)

 この一本だけは実写ではなくアニメーション。少ないスタッフで、CGを多用して、というのは、最近のアニメーションの流行なのかと。しかし、背景とか草木の描写はきれいだったのに、肝心の人物のCGがカクカクしていたので違和感が。アニメーションにする意味がどれほどあったのか(実写ではダメだったのか)、という問題は残っているような。

 短編集『ZOO』の中で一番つまらないのは「ZOO」だったということを再確認した。ロケも市原ゾウの国で撮っているが、背景があまりに日本的すぎて、乙一の無国籍的な雰囲気を生かしきれてなかったように思える。

終わったあと、ワセミスの人たちは「ラウンジの場所取りのため徹夜っす!」と叫びながら夜の街に消えていきました。大変だなぁ、若者。