森見登美彦『四畳半神話大系』(太田出版)

長らく積んだままになっていたのを読了。

  • 太陽の塔』を上回るルサンチマン小説。持てる(モテる)ものに対してのルサンチマンをひたすらに発露し続ける作風は、読んでいて涙が止まらない。
  • 一年生の初めに入ったサークルによって、それぞれちがった未来が展開するという構成は、平行世界もののSFである。非モテ思想(もっと自分が幸せだった青春時代があったかもしれないという思想)と平行世界概念は密接に関係していることの証左ともなりうるかも。
  • SFというよりロゲなんですけどね。
  • それにしても、文章の半分以上を使い回すって、なかなかすごい小説だ。パラレルワールドだから仕方ないにしても。