西尾維新『ネコソギラジカル(中)』(講談社ノベルス)

あっさり読了してしまいましたよ、と。内容の耐えられない軽さ。
sayukの「西尾は自分がバトルを上手く書けると勘違いしているのではないか」という指摘は、ずいぶん説得力があるなぁ。
でもまあ、それは冗長で間延びして感じる原因の一つではあるかもしれないが、主原因ではないのではないか。それよりは、主人公が戯言遣いとしてキャラが立っていないところに、初期三部作との差異があるように思える。
誰も彼もが戯言しゃべりすぎているのが問題ということ。他の登場人物が合目的的な発言に終始していればこそ、「ぼく」の戯言が生きてくるのであって、益体もない言葉遊びを、敵も味方も関係なく始めてしまえば、「ぼく」のキャラクターはどこかへ吹き飛んでしまうだろうに。
泣いても笑っても次でラストとのことなので、海外に行っても下巻を手に入れて読むつもりではありますけど。