朱家角

 大観園に午前中で飽きるのは予定通りで、昼前に江南の古鎮、朱家角へ移動する。ちょうど大観園からの帰り道にあるので、ちょうどよかったのである。
 30分程度で朱家角に到着。清代の町並みを残している、江南の古鎮の中でも、上海に最も近い場所にあるのが特徴である。その分、街自体は小さく、半日あれば回り切ることができる。この辺も予定に折込み済み。
 チケットに学割が聞かなくて60元も取られて憤慨したり、最初に回った展示館があまりにしょぼくて愕然としたり、昼飯の飯屋がまずい上に高くて切れたりしつつ、町並みを回ってみる。江南の古鎮もこれが三回目となると、そろそろ見慣れてくる。
 やはり見所は、細くて見通しの聞かない路地と、川に掛かる数多くの橋。どこの古鎮に行ってもあるが、それぞれの古鎮によって微妙に異なっている。どんな店が並んでいるか、どんな看板が並んでいるかによって、路地の雰囲気はずいぶん異なる。そういう意味では、朱家角はあまり面白くなかった。店がほぼ全て観光客のみを相手にしていて、地元の人たちは訪れない「贋物」の町並みだったので。他の古鎮だと、観光客が絶対に利用しない銭湯や家具屋なども並んでいるのだが、朱家角は食べ物屋と土産物屋ばかりだった。街の建物は悪くないのに、残念。
 橋も近年修復されたものが多くて、コンクリでがっちり固めてあった。他所では石組みがそのまま残ってるものもあるのに、これまた少し残念。
 上海から近いし、古鎮の雰囲気だけを楽しむのであれば、選択肢としてアリかもしれないが、時間に余裕があるのなら、もう少し遠くの古鎮まで足を伸ばしても良いだろうと思った。
 部屋に帰ったのは9時を回っていた。徹夜明けには辛い。というか限界だった。