平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社)

 日本からの救援物資その3。昨年の「このミス」で1位になった短編集。
 平山夢明の名前をどこかで見たことがあると思ったら、井上夢人編「異形コレクション」の常連だった。ホラーアンソロジーの常連ということからも分かるように、きわめてホラー色の濃いミステリ――むしろ、ミステリ色が少し入ったホラーといったほうが正しい。ホラーの中でも、血ドロドロ内臓グチャグチャ脳味噌ドップワァな作品が多いので、心臓の弱い人にはお勧めできない。
 個人的には表題作「独白するユニバーサル横メルカトル」と「卵男」の二作品が面白かった。両作品とも、ミステリ的な謎の解決がみられ、しかも、短編集の中では比較的グロくないので。ミステリファンが推したのも、この辺を評価したからなのではないかと思う。
 帰国したら昨年の「このミス」を確認しよう。