「空の境界 第一章 俯瞰風景」(配給:アニプレックス 制作:ufotable 監督:あおきえい)

 原作は竹箒の伝説的な同人小説。新宿の単館上映、しかもレイトショーのみ、という過酷な条件ながら、友人七人とともに見てきた。よくもそれだけ集まったものよ。
 全7章構成の第1章ということで、事前には説明調になるんだろうなあ、と予想していたのだが、その予想は完全に裏切られた。説明を最低限以下にまで絞り込むかわりに、徹底して原作に忠実に作っていた。単館上映ということも含めて、「どうせ分かってる奴しか見ないだろ」的な作り手側の考えが見えなくもない。もともと原作がそれほど一般受けするものではないので、仕方がないところではあるだろうが。あらすじや設定を理解している人たちが演出を味わう、という点で歌舞伎みたいなもの、といったら歌舞伎の人が怒るだろうか。
 しかし、単館・レイトショーのみであのハイクオリティということを考えると、OVAで出すところをチョッと映画館にも掛けてみた、というのが実態なのだろうか。