「魍魎の匣」(原作:京極夏彦 監督:原田眞人)

 一昨日映画を見に行ったばかりなのに、また映画を。今度は京極の「魍魎の匣」の映画化。1950年代初頭の東京を舞台に、美少女連続バラバラ殺人事件と、富豪の孫娘の失踪事件、怪しげな新興宗教の跋扈が、それぞれ絡みあう。キャストは堤真一京極堂)、椎名桔平関口巽)、阿部寛榎木津礼二郎)、田中麗奈(中禅寺敦子)、黒木瞳(柚木陽子)、宮藤官九郎久保竣公)。
 映像化するとグロいです。しょっぱなからグロ全開でした。腕の切断面とか、神経ひらひらとか、口から血がとろーりとか。グロい割りに京極堂と関口と榎木津の掛け合いはテンション高いのであった。
 原作だと平行して進行する事件のうち、少女連続バラバラ殺人事件を中心に取り上げているので、木場の出番があまりない。下手をすると相棒の青木刑事の方が喋っているぐらいだ。宮迫ファンの人には残念かもしれない。代わりに出番が多かったのが(そして好演していたのが)田中麗奈。昭和風ファッションが似合っているのは、褒めるところなのか。あと、クドカンは存在感あるなあ、と思った。全体的に演技が上手いというよりも、妙な存在感でキャラが立っていた。
 ストーリーはネタバレになるので省略。「魍魎」の最大のトリックが省略されていたのに驚いた。「どうせ見に来る奴はこのトリックは知ってるだろう」と思ったのだろうか。省略して正解だろうなあ。