「空の境界 第五章 矛盾螺旋」(原作:奈須きのこ)

 空の境界もついに第五章。今回は時間も大幅増加して約100分と、普通の映画と遜色ない規模になっている。場所は相変わらす新宿単館上映だが。封切りから二ヶ月近く経ったレイトショーにもかかわらず、会場の半分は埋まっていて、この映画の根強い人気が伺えた。
 上映時間が延びたほど、予算が増えなかったのか、丁寧なシーン作りなのだが、いかんせん使いまわしとリピートが多い。話の性質上、時間の前後を入れ替えたり、同じシーンが繰り返されることを表現する必要があったので仕方ないかもしれない。さらに、そのリピートをちゃんと説明しようとするものだから、さらに冗長なシーンと台詞が費やされることになる。原作はもう少し時系列が分かりやすい作りだったと思うのだけれど。それでも、原作が好きな人であれば、あの変てこな建物の構造や、荒耶の仕掛けたトリックがビジュアル化されているところは興味深く見れるかもしれない。
 それにしても、作画スタッフはフェイトが好きなのだろうか。好きなんだろうなあ。巴の外見とかまんま士郎だし。エンディングで追加されたシーンはどう見てもホロウのエンディングだし。いや別に構わないんですけどね。
 さて、次回は第六章「魔法少女アザカ〜お嬢様学校に潜入だゾ!の巻」の模様。本当に七章全部映像化できそうでなにより!