ドミニオン(非電源系)続き

 昨日のつづき。「金貨戦略」について。どうせどこかで誰かが考えているとは思うけど、一応自分の頭で考えるだけ考えておこう。
 6勝利ポイントが取れる「属州」のカードは勝利をぐっと引き寄せてくれる*1。このカードを6枚買えば、たいていの場合は勝てる。ただ、「属州」のカードを場から買ってくるには8コインが必要となるが、初期状態ではどんなに手札が良くても最大で5コインまでしか使えない*2ので、いかに手札から使える金額を増やしていくか、がゲームの肝になる。この「手札に入るお金の期待値」が8コインを超えれば、理論的には毎ターン「属州」が買えることになる。
 このゲームでは、ターンの終わりに手札がかならず5枚になるように調整されてしまうので、「手札一枚あたりのコイン期待値」(CpC)が1.6以上あれば、毎ターン「属州」を買えるようになるはず(あくまで平均で、だが)。
 最初に配られるカードは「銅貨」(1コイン)×7+「領主邸」(1勝利ポイント)×3なので、
 初期CpC=7(デッキ内の総コイン)÷10(デッキの枚数)=0.7
 である。
 「金貨」(3コイン)のカードを買うには、6コインの支払いが必要になるので、初期状態では絶対に買えない。そこで「銀貨」(2コイン)を3コインの支払いで買うことになる。初期状態でも平均して3.5コインは手札にあるので、毎ターン銀貨は買えるはず。
 毎ターン「銀貨」を買ったとして、CpCが「金貨」を買える1.2に到達するのは、
 {(7+2n)/(10+n)}*5>6
 となる最小の整数nの場合であり、n=7である。
 さらにこの状態から、金貨を買い続けてCpCが1.6を超えるのは、
 {(21+3m)/(17+m)}*5>8
 となる最小の整数mの場合であり、m=5となる。
 最速で12ターン目には「属州」が買えるのである。このときのデッキの枚数は22枚。埋まってるコインの合計は36である。
 ここで「属州」を買うとCpCは36/23=1.57に下がってしまうので、もう一枚金貨を足さねばならない。ただ、ここまで来れば「最優先で属州、属州が買えなければ金貨、それもダメなら銀貨」という戦略で十分だろう。ちなみに、金貨を購入してCpC=1.6に戻す戦略を取っても、25ターン目には6枚目の「属州」が買える。
 「金貨戦略」のもう一つのメリットとして、手札に使えないカードが溜まる可能性が非常に低いことがある。昨日も書いたように、アクションカードは基本的に1ターンに1枚しか使えないので、2枚以上手札に入ると1枚は無駄になる。 ところが、貨幣は何枚あっても無駄にならず、場のカードの購入に使えるわけで、無駄カードの発生率が低くなる=毎ターン手に入る金額の「ばらつき」が少なくなる。この辺が「金貨戦略」が無類の強さを誇る原因であるらしい。
 アクションカードを活用する場合、最低でもこの「金貨戦略」の速度(25ターン目までに「属州」を6枚購入)に対応できなければならない。……さて、どうしたものだろうか。(つづくようなつづかないような)

*1:12枚あるこのカードが全て購入されるとゲームは終了し、得点計算に入る

*2:最初は「銅貨」(1コイン)のカードしかないからね