ドミニオン(非電源系)続き

 王国カード(アクションカード)について。
 と、その前に、
 前回の日記を書くにあたって、ゆきやんさんの2008年12月3日の日記(http://54709.diarynote.jp/200812031632552896/)を参考にさせていただきました。お金戦術が、アクションカードを使って超えるべき最低基準であることを示された論考は、とても参考になりました。ありがとうございます。
 あと、前回、「手札1枚あたりのコイン期待値」をGpC(Gold per Card)と表記していましたが、金貨と区別がつきにくい上に、ややこしいので、CpC(Coin per Card)にしました。どうでもいい、気分の問題ですが。
 さて、前回見たように、貨幣を買い続ける戦略でも25ターン目には6枚目の「属州」が買えてしまう。前回は6枚買えば勝利確定、と書いたが、4人で12枚の「属州」を奪い合うわけなので、むしろ焦点とすべきは4枚目の「属州」が買えるか否か、という所にある。ちなみに、金貨戦略で4枚目の「属州」が買えるのは、平均19ターン目。アクションカードを使って、これよりも早く「属州」を集めることが、金貨戦略への対抗策となる。
 そもそも、アクションカードはカード1枚の有効性としてみれば、貨幣カードよりも高い。一例を挙げるならば、「木こり(購入3コイン。仮想のコイン+2、購入権+1)」は、「銀貨(2コイン)」と同じコストで購入できるのに、「購入権+1」の分だけ得である(購入権が+1されると、通常は1ターンに1枚しか買えないカードを、2枚購入できる)。
 ただし、アクションカードはその強力さゆえに、基本的に1ターンに1枚しか使えない(「使用回数を増やすアクションカード」というものもあるが)。強いからといって、大量にデッキに入れると、使えないカードで手札が埋まることになる。
 1ターンに1枚しか使えない以上、デッキに入れられるアクションカードの上限は全体の20%にとどめるのが無難だと思う(ただ、アクション回数増加系のカードなど例外はあるが)。
 さて、アクションカードは購入した直後は捨て札に入り、また、一度使用すると捨て札になってしまう。再度利用するには、山札が尽きて、捨て札をシャッフルするまで待たねばならない。そして、カードを購入すればするほど、山札の枚数は増えていき、再利用するまでの間隔は長くなっていく。
 毎ターン1枚づつカードが増えていくと仮定したとき、捨て札のシャッフルが発生するのは、3、5、7、10、13、17、22ターン目の開始時となる。つまり、19ターン目までで勝負の大勢が決するのであれば、最初に買ったアクションカードですら、最大で6回しか使えない。また、同じ仮定だと、19ターン目で、デッキの総数は29枚。アクションカードを全体の20%以下に抑えるのであれば、デッキには5枚のアクションカードしか入らないことになる。ちなみに、「最初の2ターンでアクションカードを買い、以下15枚、20枚、25枚になる毎に1枚アクションカードを購入する」という戦略をとった場合、基本的に最初の2枚は6回使えるものの、3枚目は4回、4枚目は2回、5枚目は1回以下しか使えない。
 要するに、1回のプレイで戦略の軸に出来るのは、せいぜい3種類のカードしかないのである。この3枚のカードに何を選ぶかが、プレイヤーのスキルになるのだろう。もっとも、カードをドローする効果を持つアクションカードを使えば、このサイクルよりも多くアクションカードをプレイすることができるだろうし、1ターン目、2ターン目に連続でアクションカードを買うとすると、カードの組み合わせが限られてしまうので、場合によっては後回しにすることも考えられる。その辺は、プレイヤーの戦略次第で、そこが、このゲームの最大の面白みなのだと思う。