宮本武蔵(西久保瑞穂監督、押井守原案・脚本)

 世間がEVAを観ている時に、俺たちはこんなところ(テアトル新宿)でこんなもの(宮本武蔵)を見てきた。封切りからすでに3週間経っているというのに、20人ほどの観客がいた。
 今回の押井はミリオタモード。しかし、それにも増していろいろ凄かった。詳しくはネタバレになるので書けないが、映画が終わった直後のうんにょり感が何とも言えず絶品であった。「え……ちょっと……これ、意味わかんないんですけど……でも押井だから意味があるんじゃないの……ま、周りの人は理解できたんだろうか……?!」といった雰囲気で、周りをうかがう人々(含む自分)。さすが世界の押井、フランス映画並みの文化的プレッシャーですねっ。
 それにしても、やはり「宮本武蔵=胸に究極の不合理な望みを抱いた究極の合理主義者=押井守」なんでしょうか。「彼の一生における戦いは、全て関ヶ原ビューティフルドリーマー)の復讐戦だったのかもしれない」のでしょうか。宮本武蔵に仮託した押井の自伝だと思ってみれば面白いのかもしれない。