久遠『罌籠葬』(台湾角川)

 第一回台湾角川軽小説大賞金賞受賞作。どちらかというと台湾の電撃金賞みたいな位置づけ。
 日本の有名なライトノベルがどんどん翻訳されているせいで、台湾のライトノベル作家がなかなか育たないという現状を打破するため、台湾角川が創設したライトノベル小説賞で金賞を取った作品である。
 四百年前の災いを封じた「籠庭」を守護する五人の「義人」の物語。
「これは、一つの死への恐れが引き起こした神殺しの惨劇と、何代にも渡る神と人との恩怨、そして、生を愛し死を恐れる人々のドラマである」(カバー裏の紹介文より)
 アジアンファンタジーで、なおかつ閉鎖的な習慣やしきたりに翻弄される少年少女の話である……のだが、文章の格調が高いので読むのが結構しんどい。固有名詞が全部漢字なだけでも厳しいんだよなあ。