風聆『馬桶上的阿拉丁』(台湾角川)

 同じく第一回台湾角川軽小説大賞銀賞受賞作。タイトルは「便座の上のアラジン」。
 金賞受賞作とは打ってかわって、かなりすっとこどっこい。
 設定はこんな感じ。

 アラジンは死を前にして、ランプの精霊に最後のお願いをしました。「おまえの力は強大すぎるから、その力を十等分して、私の十人の息子に分けてやって欲しい」と。ランプの精はその願いを聞くと、十に分かれて、それぞれの子供がそのとき必要としていた生活用品に姿を変えました。あるものは小さなランプに、あるものは食器に、そして、ちょうど「もよおしていた」子供にはおまるに。
 十等分された小精霊は、やがて力を使い果たし、永い眠りにつきました。彼らは、その道具を一万回使われたとき、力を取り戻すのです。
 そして、高校生の張少年が、そのちょうど一万回目にそのトイレを使ったのでした……

 日本語に訳してもそのままライトノベルになるような一人称口語調。導入がかなり強引だけど、勢いで押し切る感じなのかなあ。いずれにしても、今の日本のラノベと比べると少し古めな気はする。