アサルトガールズ(監督:押井守、主演:黒木メイサ)

 休日の朝っぱらから池袋に観にいく。封切りから二週間で、朝の回しかやらなくなっているのだから仕方がない。押井監督には去年「宮本武蔵」という近年まれに見る地雷を踏まされたので、一抹の不安を覚えつつテアトルダイヤへ。
 ……「宮本武蔵」よりは面白かったと思う。押井監督のファンが見てニヤニヤする以上でも以下でもない、普通の人には全くオススメしない(ましてやデートで観にいくなんてとんでもない)、典型的なB級映画。一応、「アヴァロン」の外伝的位置付けらしい。登場人物が4人しかいないとか、尺が90分しかないのに冗長だったとか、乗り物と犬とゲームの話ばかりだとか、いつもの押井だった。
 内容は茫漠とした荒野で女の子が巨大モンスターと戦う……ストーリー……は特になく、仮想空間で女の子が罵ったり、男を叩きのめしたり、モンスターに銃をぶっ放したりするシーンが何となく続く。監督が撮りたいものだけを撮って、筋がありそうに編集したもの、といったほうが正しそう。だからこそ、世の押井マニアだけは観にいくべき。それ以外は責任持てない。
 それにしても、封切りからだいぶ経っているからだろうか、観客はみんな「分かった」人ばかりで、映画が終わった後に「ああ、やっぱりなあ」というため息を一斉に吐いた瞬間、ものすごい共感が発生していた気がする。