ヨーロッパユニバーサリスIII(PC,Paradox Interactive)

 先日の続き。こういうのもAAR(After Action Report)というのだろうか。
 ハンガリーの王位を継承して独走状態に入ったフランス。中部ドイツにも魔の手がせまっているというのに、神聖ローマ帝国内部では、皇帝を要するボヘミアと、なぜかプロテスタント教国になってしまったオーストリアが血みどろの争いを続けていた。それぞれ、ローマ帝国内部の諸侯を巻き込むため、諸侯はほとほと嫌気がさしていたらしい。ゲーム内的にいえば、選帝侯たちがボヘミアとも、オーストリアとも、最悪の関係になっていたのである。
 神聖ローマ帝国の内紛を納めるために、選帝侯たちは外部の軍隊に頼ることにしたらしい。帝国に加盟していないフランス王を神聖ローマ皇帝に選び出したのである。国内の一部の州が帝国に含まれていれば、皇帝になる資格はあるらしい。まさに棚からぼた餅。これから攻め込もうと準備をしていたのに。
 皇帝として、勝手な抗争を続けるボヘミアオーストリアを懲罰するだけで、皇帝の権威はうなぎ登り。ついでに、フランス国内の全ての州を帝国に加盟させたり、膨大な資金を投じて加盟国との友好関係を上げたりした結果、特殊コマンドの「帝国改革」がスムーズに進んで行った。これは、皇帝の権威を消費して、神聖ローマ帝国の中央集権化を進めていくためのコマンドなのだが、加盟国の過半数の賛成によって改革法案を通過させることができる仕組みなので、皇帝の権威や諸侯との友好関係が重要になってくるのである。非常に面倒ではあるが、「皇帝選挙の廃止と世襲化」「諸侯の特権の廃止」「ローマ帝国の復興」と続き、最終的には全ての加盟国を併合できてしまうという、最後まで改革を続ければリターンの非常に大きいものになっている。
 途中、改革に反対する諸侯が離反して戦争になることもあったものの、そもそもローマ帝国全部合わせてもフランス=ハンガリーに敵わないのである。教皇領を筆頭とする反対派は瞬く間に鎮圧され、神聖ローマ帝国が復興した。これによって、ヨーロッパ全域に加えて、途中で帝国に加盟していたスペインまで併合。ヨーロッパで残っているのは、同君連合を結んでいるスコットランドアイルランド小国家群バルカン半島イスラム教諸国、最後まで帝国加入しなかったスウェーデン、ロシアだけとなり、ナポレオンもびっくりの巨大版図を得た。
 スペインは南北アメリカ、アフリカ、アジアにも大量の植民地を保有していた(スペインが途中でポルトガルを併合しているので、その分もあるのかもしれない)。それ以外ではスコットランドと、アメリカに首都を移したイングランドが少々。そのスコットランドも、終了直前にフランス改め神聖ローマ帝国に合併されてしまったため、ブリテン島とイベリア半島をふくめたヨーロッパ全域、南北アメリカのほぼ全域、北アフリカを除くアフリカ、アジアのタイ・ベトナム周辺を保有する、大帝国を作ったところで1820年のゲーム終了を迎えたのであった。2位以下の国の軍隊を全部足しても、神聖ローマ帝国の軍隊の半分しかないわけで、完全にぶっちぎりの大勝利である。
 終わってみた感想としては、他国を継承がバランスを一気に壊す可能性がある、ということだろうか。やはり転換点はハンガリー継承にあったように思う。あと、神聖ローマ帝国復興の際に、海外のスペイン植民地をごっそり継承したことも大きかった。逆に自分がオーストリアで、フランスにハンガリーを継承されたときのことを考えると、猛烈に萎えるんじゃないかとは思う。改善の余地はあるかもしれない。
 次は、今回ほとんど動かないままだった、「イスラム教国の守護者」オスマントルコでヨーロッパを恐怖に陥れてみたい。