「コクリコ坂から」(スタジオジブリ)

 今日はダブルヘッダーで、午後から見に行く。監督は宮崎吾朗。企画・脚本がパパ。
 「ゲド戦記」と比べたら100倍良い。普通のジブリ映画になっている。全体的に淡々と話が進み、なんとなくカタルシスがあって、すっと消えるように終わる。余韻があってよい、というか、カタルシスが足りない、というかは個人次第か。背景美術とかはさすがのジブリで、超絶に綺麗。1963年の横浜・東京をリアルに再現している。あと、挿入歌が非常に多く、しかも登場人物の合唱が大半。オペレッタかよ、と突っ込みたいところだが、それはそれで作品に合っていた。
 惜しむらくは、(「ゲド」の時も言われていたように)あまりに淡々としすぎていて、感情移入しにくいところ。パヤオ大先生が持っているような、熱いパッションがダダ流れになるような、ヤバいシーンはなかった。「もののけ姫」のシシ神さまのシーンとか、「千と千尋」のカオナシ大暴走のシーンとか、「ポニョ」の嵐のシーンとか、ネチョネチョドロドロしたものが幼女を包囲する映像を作らせたら史上最強のクリエイターである宮崎駿に匹敵する何かを期待するのは、まだ早いのだろうか。